PIC16F18313の基本動作から応用プログラムまでを学びます。

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エレクトリック・キーヤー
2021−01−07

エレキーを使用すると簡単にきれいなモールス信号を送信することができます。左右に接点のあるパドルキーに、モールス符号を組み立てるキーヤーと呼ばれる電子回路を接続しますが、単体のキーヤーは意外と高価です。動作は単純なのでPICで作成しましたした。

実用的なキーヤーにするため、単三4本用の電池ボックスを改造して中にPICを組み込みます。小型化を優先したため、サイドトーンは、圧電スピーカーを矩形波で駆動して発生させます。

上の写真は、裏蓋を開けたものです。4本の電池のうち2本を取り外しそこに8ピンPIC16F18313 を載せたユニバーサルボードを固定しました。上部のタクトスイッチ2個でモールス符号の送信速度を調整します。

<回路図>

電池ボックスの加工

電池ボックスの半分に基板が取り付けられるよう加工します。

  1. 電池接続金具 2個を取り外す 
  2. 最上部のプラス電極金具を引き抜き、下から2番目の電池のプラス極位置に移動する
  3. 上部2本の電池の隔壁を削り取りPIC基板を収納するスペースを作る
  4. 写真上側ケースにタクトスイッチを外から取り付けるため 0.8mmの穴を4つ開ける

ボードの作成

電池ボックスに納まるように市販のボードをカットしてサイズを調整します。下の図は配線面を部品取り付け面から透視したパターンずです。回路図には示していませんが、PICの周りにプログラムを書き込むために丸ピンソケットを取り付けています。

プログラム

Timer 0をサイドトーンを発生するのに使用します。Timer 0 には、タイムアップする毎に反転する TMR0 出力があるので、その信号を PPS 機能で RA0 に出力します。タイマーを 8bits モードで使用して、1ms 毎にタイムアップさせると 500Hz の方形波を出力させることができます。サイドトーンのOnOffは、TRISA0 で制御します。

モールス符号の送信速度は、日本アマチュア無線連盟の3級から3段程度の速度を選択できます。速度は短点の継続時間をmSec単位で配列に準備してあり、タクトスイッチで選んでいます。

パドルキーが押された情報は、待機時は常時、符号送信時は1mS毎に確認され、Dotキーが押されると flagDOT を「1」にセット、Dashキーが押されると flagDASH を「1」にセットすることで、キーが押されたことを記録します。

MPLAB X プロジェクトを下のリンクからダウンロードですることができます。また、プロジェクトをコンパイルした HEXファイル(keyer41.hex)も同梱しました。その HEXファイルを 書き込んでも良いでしょう。

エレクトリック・キーヤー プロジェクト b07keyer41.zip

6 動作の確認

パドルに3.5mmプラグを接続します。電源SWをONにすれば使用可能です。

送信速度は、120、 110、 90、 60、 45、 25字/分から選ぶことができます。「+」「ー」SWを押して増減します。調整が上限または下限の速度に達するとbeep音が2回なりそれ以上変更できないことを知らせます。

縦振れ電鍵(ストレートキー)を接続することもできます。縦振れ電鍵の場合は、電鍵の接点は3.5mmプラグの先端と根元になるよう配線します。

「+」SWを押しながら電源SWをONにします。Beep音が2回鳴り、縦振れ電鍵動作になったことを知らせます。

縦振れ電鍵動作時には、「+」と「ー」のSWでサイドトーンの周波数を 500Hz から 1kHz まで、100Hz単位で増減できます。

設定した送信速度とトーン周波数は、PIC内臓のEEPROMに保存されるため、電源をOFFにしてもリセットされることはありません